24年1月の読書 『将棋の子』

『将棋の子』大崎善生

比喩が多く、また多いせいか面白くなく、そういう箇所を読むのがきつい。字数稼ぎか?とうがってしまうほど。

奨励会(将棋界)の恐ろしさは、無給で家族等の支えにより、中卒レベルの学歴の子が将棋のみに没頭し、かつプロになれるのが一握りで、大半が将棋バカのまま社会に放り出されることだ。相撲も昔は同様だったが、相撲部屋では衣食住は保障され、また礼儀や挨拶、料理や家事をたたき込まれる。こちらもプロ(関取)になれるのは一握りのため、相撲バカで世の中に放り出される大前提に、何とかプラスアルファの社会性を身に付けてやろうとするシステムがある。奨励会はそれが全くないように見える。

他のプロスポーツでいうと、ゴルフなんかは将棋っぽいか。ただ、将棋はプロになってしまえば一生安泰だが、ゴルフは永久に賞金稼ぎで、「職業」としてぴんとこない。相撲や野球も選手寿命が短い。職業として生涯、親が子供に目指させてもよいほど細くとも長くできるのは、案外競輪がベストじゃないかと漠然と思う。将棋だけは、ないなあ。

主人公の母親の最期の頃のシーンは泣けました。

社長日記,読書

Posted by harukup