インターネット検索を利用するということ

 以前、70歳近いばりばり社会経験があって引退された女性とお話ししていて、その方はEメールも毎日送受信し、年賀状もパソコンでつくっていたりと、割と現代人なのですが、インターネット検索ということを全くやったことがありませんでした。過去に行ったご自身の講演について話していたので、ちょっと検索してみたら何個か、参加者や講演のコーディネーターの方の感想ブログ記事が出てきて、「これっすか?」と見せたらどびっくりして、「何なの、これえ!」となり、まだまだインターネット検索は、デバイドがあるなと思ったので、ちょっとインターネット検索について初心者の方のために自分なりのプレゼンというか説明を以下に書いてみます。

インターネット検索利用は無料(除く、通信環境コスト)

 まず、その方は「これ(検索結果)に載せるのは有料なの?」とおっしゃっていましたが、インターネット検索に情報を載せるのは、原則、無料です。自分が載せたい情報を、自分でブログやウェブサイト等に掲載すると、インターネット検索サービスが勝手にそのブログ記事やウェブコンテンツの情報を収集してくれます。 「原則無料」と言ったのは、検索結果に有料で載せることも可能だからです。それについては後述します。また、プロバイダーと契約したり、パソコンやスマートフォン・iPadといった通信機器を入手するコストは土台としてかかります。地上波テレビ放映を見るのにテレビ自体を買ったりNHKにお布施をしたりアンテナを立てたり地デジチューナーを購入したりするのと一緒です。現在はブロードバンド環境が整っているため、今は定額でインターネットを利用している(Eメールもインターネット!)方がほとんどだと思います。インターネット検索をするたびに費用が従量課金で発生することはありません。地上波テレビの視聴と一緒だと思って大丈夫です。

インターネット検索=Google(グーグル)

 インターネット検索とは、2011年現在ではイコール、Google(グーグル)検索といっても過言ではありません。もう一つ、メジャーなYahoo!Japanというものもありますが、ここで検索して表示される結果は、ほぼGoogleの検索結果と一緒だからです。その理由は、2010年末より、Yahoo!の検索結果はGoogleの技術を利用しているからです。検索画面・検索結果画面の見ばえは異なりますが、中身はほぼ一緒なので、どちらかお好きなほうで検索するとよいでしょう。

 「ほぼ」と言っているのは、Google検索の結果はお住まいの地域(検索した場所)等によって、若干検索結果が変わることがあるからです。Yahoo!で検索すれば、日本のどこで検索しても検索結果は一緒なので、そこが異なる点です。あとは、検索結果の対象ページは一緒ですが、表示のさせ方が若干異なります。また、地域店舗などで、地図による情報が出たりしますが、その地図の登録情報がYahoo!とGoogleでは異なりますので、検索結果も異なります。ここでは地図への登録方法については省略します。

 また、ほかにも独自の検索エンジンはありますが、Yahoo!とGoogleで日本では検索利用シェアの9割を占めているといわれます。ニフティやビッグローブなど、Yahoo!Japanと似通った見ばえで同じように検索キーワードを入力して検索ボタンをクリックして検索結果を表示するポータルサイトもありますが、全部、中身はGoogleの検索エンジンです。検索利用シェアの残りの1割の大半はBingですが、これは健常者は今のところ使用しないので、無視していいです。Google検索でどうしても求める情報がない場合に最後の手段として使う程度でいいでしょう。またはきれいな風景が見たいときにはお勧めです。

有料広告の利用も無料

 そのほかには、先ほどちらっと申しました、「有料」の部分があります。有料表示は、検索結果の最上位の数個、また、ページ右側の10個程度が有料部分です。ここにご自分のウエブサイトやブログ等を掲載したい場合は、いわゆる「広告を出す」という作業をすることになります。広告を出すので、当然、広告出稿費用が発生します。そのかわり、何万・何十万という検索結果をすっ飛ばし、ほぼ間違いなく、ねらったキーワードでの検索結果の1ページ目にご自分のページの表示が可能となります。この「有料検索結果表示」による収益により、その他の検索結果を無料で表示するサービスが成り立っているのです。ただし、単なる検索利用者としてその部分をクリックしても、料金がかかるわけではありません。広告料金はすべて広告を出稿している事業者等が負担しているので、興味がある広告なら気兼ねなくクリックして大丈夫です。通常の検索結果をクリックするのと全く同じです。といいますか、ウエブページを利用していて、クリックしただけで料金が課金されることは絶対にありません。なので、たとえ架空請求が来ても鼻で笑って●●●の三下稼業もIT時代は大変なのねと哀れみ、無視して大丈夫で

自分のホームページやブログ記事も無料で検索結果に出せる

 ご自身がインターネットの検索に、結果を表示させたい場合はどうすればいいか。まず、ウエブサイト(ホームページ)またはブログなどを開設しなくてはなりません。オリジナルのホームページを作成するには、まだまだ一般的には技術的に難しいかもしれませんが、ブログは無料で利用できるサービスがたくさんあります。このような無料ブログを利用することで、だれでもご自分の情報を発信することができます。ブログもホームページも、厳密には一緒です。サービスとして提供されているブログは、その難しい公開までの技術を自動化し、メールを書いて送信するような感覚で利用できるように、利用者の手間をすっ飛ばしてくれているホームページというだけです。

 こういったご自分の情報発信ページを開設したら、後は勝手にGoogleがインターネット上に公開されている情報を巡回・収集してくれます。巡回は機械的に行っています。巡回するプログラムは「ロボット」と呼ばれています。ロボットの巡回経路は、通常はハイパーリンクを経由して行われます。ハイパーリンクとは、よく、ウエブサイトを閲覧していて、クリックすると別のページやウエブサイトに移動するために設置されているボタンやテキストや画像のことです。Googleロボットが既知のウエブページを巡回し、ハイパーリンクがその中にあると、そこをたどって先にあるページを巡回していきます。Googleロボットが知らない新しいページがその先にあった場合、Googleロボットはそのページの情報を収集し、持って帰ります。なので、ブログやホームページを開設しても、ご自分では特に何かする必要はありません。定期的に巡回するGoogleロボットプログラムが開設したホームページやブログの情報を勝手に持っていってくれます。特に無料ブログの場合は、ハイパーリンクも勝手に張ってくれるので、巡回も早く、ほっておけばすぐにご自分のページに検索結果からのアクセスが来るようになります。

発信した情報は全世界不特定多数に永久に閲覧される

 逆に言うと、秘密にしておきたい情報も、勝手にGoogleに収集されてしまうということです。Googleの巡回をブロックする手はありますが、ブロックしたい情報、つまりだれにも知られたくない情報はブログやホームページ、また掲示板や動画サイトなどに発信しないのがベターです。ミクシィなど、記事自体がインターネット検索に原則表示されない仕様のサービスや、パスワードや会員IDなどで閉鎖的な仕様にしているサービスもありますが、そこに書いたことを第三者にコピーされ、普通のインターネット検索結果に表示されるブログなどに公開されれば結果は一緒です。インターネットに公開する情報は、全世界の不特定多数に公開していることと同義です。また、アングラ雑誌などと違い、人類が消滅するまで、ほぼ永久にその情報は残ってしまいます。慌てて削除しても、だれかがその前にコピーしてしまっていれば(インターネットの情報のコピーは非常に簡単なので)、オリジナルの記事が残っていることになります。また、匿名で書いていても、匿名はあくまで表面上で、記事をだれが公開したのかは国家権力を利用されれば簡単に特定可能なのです。ここを十分に意識し、情報発信するのがベターです。

検索結果に載せるには

 Googleロボットは勝手に情報を収集してくれると書きましたが、オリジナルのホームページを開設し、どこからもハイパーリンクが張られていない場合は、Googleロボットはリンクの経路がないため、見つけたくてもそのページを見つけることができません。そういう場合はGoogleに「ここにホームページをつくったよ」ということを教えてあげないと、いつまでたっても検索結果からのアクセスがありません。特殊な例ですが、ホームページをつくることを覚えて、公開する技術もマスターしたばかりの人が陥りそうなポイントです。検索エンジンはリンク経由でそのページの存在を知るので、ホームページをつくったら、まずリンクを張ってもらうことを意識しましょう。(ちなみにリンクを張ってもらわなくてもGoogleに存在を知らせる方法はあります)重ねて言いますが、FC2やアメブロなど、無料ブログの場合は特に何もする必要はありません。その理由は、既にブログのひな形にリンクがたくさん張ってあるからです。

SEOとは何か

 リンクをきちんと張ったり張られたりしていて、Googleロボットが巡回してくれてインターネット検索システムに登録されていても、インターネット検索結果からのアクセスが全くない場合もあります。それはみんなが調べるキーワードに、ご自分のページが合致していない、あるいはページの内容やウエブサイトの構成自体がインターネット検索システムにマッチしていないため、ご自分のページの検索結果順位が低いためです。これをきちんとインターネット検索システムに合わせて作成し、検索順位を上げようというのが俗にSEOと呼ばれる作業です。「検索エンジン最適化」の略語です。SEOにはいろいろと手法があります。記事の書き方やタイトルのつけ方、リンクの張り方・張られ方・その量など、さまざまです。また、Googleの検索順位の決定方法も、常に変化しています。あした急に検索結果1位になるというSEOのこれぞという特効薬はありませんが、基本はあります。基本をしっかり押さえたページの作成を行い、それを継続していくことで、半年~1年も頑張れば、割と上位の検索結果となることがあります。ご自分でできない場合は、SEO業者という人がこの世には存在しますので、外注することもできます。また、先ほど言った、有料の広告(リスティング広告・PPC広告といいます)を出稿することで、一気に検索結果のトップにご自分のページを表示させることも可能です。広告出稿はご自分で行うことも可能です(SEOもそうなのですが)。SEO外注・PPC広告出稿にせよ、費用をかける場合は、その費用対効果が重要になりますが、ご自分で行う時間や勉強する労力をお金で買うという意味で、やってみるのもいいでしょう。

 と、長々とインターネット検索について記してみましたが、このページにたどり着いてくださった方は、まず間違いなくインターネット検索経由のはずですので、何の意味もない記事です。この矛盾があるうちは、まだまだ紙媒体などによる橋渡しが必要となるのでしょう。ですが、時代はインターネット検索に間違いなくなっています。ブロードバンド環境もほぼ整い、パソコンも驚くほど安価になってきています。スマートフォンの普及も、インターネット検索に拍車をかけるでしょう。欲しい情報はほぼ、インターネット検索で、通信環境コストさえあれば、無料で探し出せる、また、ご自分から発信もできる時代となっています。上手にインターネットを利用して、IT・情報化時代を楽しみましょう。

※テキスト by 合同会社ハルクアップ