出張録音不要「会議の録音のコツ」
会議などで出張録音を業者へ依頼する企業や自治体もあるかと思います。出張録音は速記者の人件費などがかかり、テープ起こしのみの依頼より料金が高くなります。
マイクを使い、会場スピーカーから発言を流す会議形式であれば、出張録音を依頼せずとも、ICレコーダーさえあればプロでなくても十分に録音可能です。不況の世の中、コストをかけず、議事録・会議録を作成しましょう。
スピーカー・マイク利用の大会議(発言者10名以上)の場合
スピーカーの近くにICレコーダーを置き、録音しましょう。ハンドマイクなどで発言をしっかりしてもらえれば、その音は全部スピーカーに集約されるので、個別にマイクを設置しなくても大丈夫です。
万一のため、ICレコーダーは2台、できれば2台で異なるモード(会議モード・口述モードなど)に設定し、声質により聞き取りづらい発言も、どちらかで補完できるようにしましょう。
そして書記(記録者)が発言メモをとれば万全です。すべての発言をメモする必要はありません。
発言者名 発言の最初の言葉 キーワード
程度で十分です。これで他人が録音を聞いても、ほぼ発言者を特定できます。この程度のメモを会議の最後の発言まで順番に拾っていきます。
ポイント
- 発言者には必ずマイクで発言してもらう。
- ICレコーダーは2台、モードをかえて。
- 発言者とその発言の始まりの言葉、キーワード程度を順次メモして
これができれば、あとはテープ起こし業者に依頼し、録音ファイルと発言メモを送付すれば、テープ起こし業者がそれを元に会議の内容を反訳します。テープ起こし自体はプロ以外が作業すると膨大な時間がかかるので、テープ起こし作業は業者に依頼したほうがよいでしょう。
ライン録音設備のあるホテルなどでのマイク使用の会議
これは当然、ホテルに録音を依頼しましょう。仮に5000円程度のオプション料金がかかったとしても、出張録音を依頼するよりお得です。録音設備はカセットテープでの録音が大半でしょう。カセットテープでもテープ起こし業者は受注可能です。
ポイントは、テープの場合、反転する部分が無音録音になることと、マイクをライン録音する場合、マイクスイッチを入れると同時に発した発言の最初が入らなかったりしますので、予備にICレコーダーを会場スピーカーの直近に1つ設置しましょう。
また、会場によってはマイク・スピーカーのチャンネルが分かれていて、マイクごとに音が流れるスピーカーが異なる場合があります。ホテルの人にマイクとスピーカーの関係を事前に確認し、2チャンネルに分かれる場合は、それぞれのスピーカーの直近にICレコーダーを1つずつ設置しましょう。
スピーカー・マイクなしの小会議(発言者4~5名)の場合
スピーカー・マイクなしの肉声で発言する会議であっても、少人数ならICレコーダーで十分です。円卓なら中心部に、ロの字に机を囲む形でも同様に中心部にICレコーダーを設置します。モードはなるべく広く音を拾うよう、会議モードにします。
ICレコーダーは、できれば発言者の顔の高さに設置しましょう。余り低い位置や高い位置だと、声の拾いがやや悪くなります。
テーブルも、なるべく狭く設置し、発言者同士が近接するようにします。ただ、余り近過ぎると、隣同士で小声でひそひそ発言したりといったことが多くなるので、体を傾けても隣の人に普通に話しかけられない程度の距離を保つと、大きな声で発言してくれます。発言メモをとるのは一緒です。
こんなところです。記録者がいて発言メモを簡単にとり、発言者の名前と順番さえわかれば、テープ起こし業者は議事録を起こせます。発言者名が不要であれば、メモすら要りません。
確かに出張録音を頼んだほうができ上がる会議反訳書のできはいいでしょう。録音とメモだけでは、不明箇所も若干残るはずです。ただ、いずれにせよ、あがってきた反訳書を会議に出席した担当者がチェックするはずです。担当者であれば、不明箇所は読むだけですぐ判明します。まとめるのであれば、なおさら多少の不明箇所があっても問題ないはずです。
自分で録音し、起こし作業のみ業者に依頼するだけで、2時間の会議で1万5000円~2万5000円は経費を削減できます。ICレコーダーを購入するとしても、1回の会議で元がとれます。そのICレコーダーは何年もその後使用できるのです。
ICレコーダーの選び方
ボイスレコーダーは2万円前後のもので十分です。ポイントとしては、
- パソコンに(USB)接続できるタイプのもの
- 録音ファイル形式がwma、mp3であるもの
この2点の機能であることが望ましいです。そうでなくても起こし業者は作業はできますが、ボイスレコーダー自体を業者に貸与しなければならない可能性が高く、その分、送料がかかってしまいます。上記2点をクリアしていれば、インターネット経由での無料転送が可能です。運送業者を経ないことにより、納期も短くできます。
不要な外注を頼まずスマートな会議録作成を
速記者の手配は録音設備のなかった時代の過去の遺物です。上記の点で、出張録音はなるべく利用せず、録音は自分で行い、テープ起こしのみ業者に依頼することをお勧めします。これが格安で会議録を作成するコツです。
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