【音声文字起こし】Versus 天龍源一郎vs輪島大士対談その1

youtubeにFIGHTING TV サムライ対談番組『Versus』の「天龍源一郎vs輪島大士」対談が上がっているのを発見し、思わずパート1を音声文字起こししてみました。さすがに不明箇所があります。

○天龍 皆さんこんばんは。きょうは天龍プロジェクトが1周年ということで、サムライさんが、だれか対談ができる人ということで、僕もいろいろ考えまして、やっぱり天龍源一郎といえばこの人しかいないということで、きょうは輪島さんに来ていただきました。どうも、お久しぶりです。
○輪島 こんばんは。もう、23年ぶりですねえ。
○天龍 23年たちますよねえ。
○輪島 いやあ、(天龍は)まだ現役でやってるからもうね、元気そうで安心しましたよ。
○天龍 ところで僕は一つ聞きたいんですけど。
○輪島 はい。
○天龍 スパッとプロレスをやめたじゃないですか。あのとき、何かあったんすか。僕は本当にね、不思議で不思議でしょうがなかったんですよ。それをずっと聞きたいと思って、仲のよかった石川(孝志)とかいろんな人に、「何で(輪島が)やめたのよ」って、いろんな人に聞いてみたんだけど、だれも明確な返事はなかったんですよね。
○輪島 あのときはもう、ほとんど、体がばらばらだね。
○天龍 ああ、そうですか。
○輪島 本当にもう、むち打ちもやったり、いろいろやっていて。で、ちょうど、ある会長さんに相談したら、「じゃあうちの会社に来い」と。そういう感じで、もう、すぐスパッとやめた。
○天龍 ああ、そうですか。僕はあるとき、会社に行ったら、(ジャイアント)馬場さんが「おい天龍、輪島がやめるんだよ」って。「えっ?」って言って、「やめたら、だめじゃないですか、今までしょっちゅう戦ってたんだから、やめたらだめじゃないですか」って言ったら、「いやあ、もう、頭がかたくてだめなんだよ」って(笑)。僕が「どうにかならないですか」って言ったら、「おまえ、連絡とれるか」、「電話してみますよ」って言って、輪島さんのとこに3回ぐらい電話したけど、まあ出なかったんですけどね。で、馬場さんは「天龍、うまく引きとめてくれよ」って言って、「じゃあおれはハワイ行くから」って、そのまま馬場さんはハワイに行っちゃったんですよ。
○輪島 へえ。
○天龍 それで、馬場さんはハワイに行くわ、輪島さんには連絡とれないわって、結局宙に浮いちゃったんだけど、もうどうしようもないやって、(馬場が)帰ってきたときに「連絡つかなかったです」って電話したけど、結局そのままになっちゃったんですけどね。
○輪島 だから、自分は初めてこういうことを言うんですけど、やっぱり体がついていけなかった。だからそろそろだなあって悩んで悩んで。
○天龍 ああ、そうですか。
○輪島 ええ。それで一回、馬場さんと会ったんですよ。山梨で、やめさせてくれって。
○天龍 ああ、そうですか。
○輪島 うん。それを馬場さんは言わなかったんですかね。
○天龍 僕には唐突に、「おい、輪島がやめるって言うんだよ」って。おれは全然聞いてないからさ、「えっ?」って。ちょうどほら、全日本プロレスがぐうっ(上り調子に)と行き始めたころだったから、「えっ?」って。「いや、よくないですよ、それ」って言って。「いや、でも本人が意志がかたいんだ」って言って。おれが要らんことで、「じゃあ、僕が電話しますよ」って言って。そんなに前振りがあったって知らなかったからさあ……
○輪島 いや、おれは知ってると思ってたんですよ。
○天龍 あ、そう。そうだったの?
○輪島 うん。馬場さんがちゃんと話をして、それでちゃんと、田舎の後援会の会長にも電話を入れて。やめるということをきちんと話しているわけだよ。奥さん(馬場元子?)が。
○天龍 あ、そう。全然知らなかったね。だからおれはもう、しゃかりきになって、だれか輪島さんに連絡がとれる人はいないかなって、一生懸命、あちこちに、じたばたしたのを覚えてるんですよ。だから、きょうは20何年ぶりに会って、とりあえずそれを聞かなきゃいけないなと思って。
○輪島 申しわけなかった。うふふふふ(笑)。本当に。ねえ。
○天龍 今ね、馬場さんの話が出たんだけど、輪島さん覚えてますか、松山かどこかに行ったときにね、ホテルに着いて、僕とジャンボ(鶴田)と、元日テレと人と輪島さんと3人で、輪島さんのお米・ギャランティーのことでいろんな話をして、3人で上に上がって。覚えてないですか。輪島さんが、あれは馬場さんが、「輪島がねえ、これだけギャランティーが欲しいって言ってるんだよ」っていう話になって、「いや、それってでも、頑張らなきゃ出てこない数字じゃないですか」って言って。でもまあ、本人があれでっていうことを言って。あのころ日テレから来てましたよね。で、じゃあ僕は、またそこでしゃしゃり出るおれだから、じゃあとりあえず、輪島さんと話してみますよって、話して、その泊まっている上(の部屋)に行って、ジャンボと輪島さんとその日テレの人とおれとで話して、いろんな話をして、輪島さん、これだけのギャランティーをもらうのは大変なんですよっていろんな話をしたことは覚えてますか。
○輪島 覚えてます。松山でね。
○天龍 そうそうそう。で、そんないろんな話をして、で、じゃあこれから試合場に行こうっていうときに……。まだあのころはほら、同じグループだったから。
○輪島 あれは、石川さんがさあ、たきつけるわけよ。ふふふ(笑)。
○天龍 ああ、もらったほうがいいよって。
○輪島 うん。だけどね、本当にまあ、いろんなこう、私も思い出がね、たくさん。
○天龍 そんなのはどうでもいいんだけどね、おれはだから……
○輪島 やめたのは?
○天龍 今、振り返るとね、何か別に、おれは社長でも何でもないのにね、何か言われたことを、しゃしゃり出て、ああでもないこうでもないって采配したかなって思う僕がいるわけですよ。
○輪島 ふうん。
○天龍 そんなことは別に馬場さんが話せばいいことだし、日テレから来てるあの社長が話をすればいいことなのに、何であのころ、おれ、ちょろちょろちょろちょろ、愛社精神で出ていったのかなって、そう思うおれがいるわけですよ。
○輪島 馬場さんが全然、そういうことを話をしなかったですね。
○天龍 うん。だから、やっぱり聞いた輪島さんにしたって、いろんなことでおれが言っただろう、言われたであろう人たちはやっぱり気分いいわけじゃないですよね。馬場さんや社長が言うわけでもないし、おれが、だめだよ、右だ左って、采配を振るったわけだからさ。
○輪島 そうそう。うん。それはあったね。
○天龍 だから本当に、何かおもしろくて、今思うと、何でおれが……。だからきょうも輪島さんっていったときに、ああ、そういえば松山のそういうときがあったなあと。何ででもあのとき、おれがしゃしゃり出て、そんなことは別に、馬場さんがだめだよって言えばそれで済むことなのになあって。馬場さんはおれに振るわけよ。「輪島が、これだけギャランティーをくれって言ってるんだよ」って言うから、おれに答えてほしいのかって。いや、それってでも、かなり頑張らないと出ない額じゃないですかって。じゃあ僕が話しましょうって、またおれが余計な……
○輪島 みんな、こっち(天龍)にいっちゃうんだ。
○天龍 そうそう。だからそんなのばっかりだったから、何かそんな感じでしたよ。
○輪島 いやいや、本当に申しわけなかった。ふふふふ(笑)。
○天龍 いやいや、そうじゃなくて、結局はだから、輪島さんもやっぱり嫌な思いをしていらっしゃるんだろうなと思って。で、その話が終わって、じゃあ試合場に行こうかなって思ったら、今まで、「いやあ輪島さん、これだけのギャラをもらうのは大変なんだよ、ファイトマネーをもらうのは大変なんだよ」って、おれと2人で一緒に輪島さんを説得したジャンボが輪島さんと先に行ったって聞いて、「何なんだよこれは、このやろう」って、頭にきたのを覚えてますよ。
○輪島 あはははは。
○天龍 結局、おれだけかよ、ばかを見るのはと思って。そんな思い出がありましたよ。
○輪島 へええ。懐かしいわあ。ねえ、本当に。うん。
○天龍 輪島さん、ちょっと聞きたいことをね、きょうは箇条書きにしてきたんですけどね。第1番目がね、1回ね、相撲で会ってる(対戦している)んですよね。
○輪島 そうそうそうそう。
○天龍 でね、僕は相撲のときの話をするときに、もっと皆さんに知ってほしいのはね、横綱(輪島)が覚えてるか覚えていないか知らないけどね、僕が大阪府立の難波体育館で、入っていったところにいろんな、巡業日程とか、ばあっと張り出しますよね。
○輪島 うんうんうん。
○天龍 入ったすぐの左側が、東西分かれたところが横綱同士の控え室が。
○輪島 ああ、東と西の。はいはいはい。
○天龍 で、おれが入ったときに、巡業日程を、ばあっと読んでるときに、輪島さんがぱっと来て、「天龍ちゃん、同じ北陸県人だから頑張ろうよ、イツキ(五木ひろし?)さんのお母さんがファンだって言ってたよ」って。おれ、ものすごく感激して。
○輪島 ふふふふふ。
○天龍 あのころ、横綱でしょ。同じ二所ノ関一門とはいえ、あんまり口を聞いたとこがなかったんでね、両国と阿佐ヶ谷で。で、同じ一門でけいこをしたのを見たことはあるけど、余り口を聞いたことはなかったんですよね、相撲のときに。片や横綱だし、おれは平幕だから。で、ぱっと見たときに、輪島さんがそこへ来て、おれのけつをパンッとたたいて、「同じ北陸3県だから頑張ろうよ」って言われたのを、すごくね、感激した。
○輪島 あ、そう。
○天龍 忘れてるでしょ。
○輪島 それは忘れてる。ふふふふふ(笑)。
○天龍 言われたほうは覚えていて。「同じ福井だから、イツキさんのお母さんがファンだって言ってたよ、天龍ちゃんの」って。「はあ」って。
○輪島 へええ。(他人事のように)
○天龍 その「北陸3県だから頑張ろうよ」って言われたのを、すごくおれ、覚えてる。ずうっとそれを覚えていて、まあ、それが後年、輪島さんが相撲からプロレスに入ってきたときに、ちょっと厳しい攻めになったんだけどさ。でも、横綱と当たったときの、その横綱と当たれるおれはすごくうれしかったんだよね。多分ね、3秒か4秒で負けたと思うんだけどね(笑)。
○輪島 いやいやいや。だから本当にね、プロレスに入って……
○天龍 いや、相撲の話をしましょう。
○輪島 あ、相撲の話? プロレスの話じゃなくて? ふふふふ。相撲の話はもう、忘れちゃったよ(笑)。
○天龍 相撲の話を、最初に。
○輪島 はい。
○天龍 で、輪島さんといえばね、輪島さんが、年間最多勝を九州場所で、けがをして休んだとき。
○輪島 ああ、はいはいはい。
○天龍 あれはでもね、輪島さんが休んだおかげで、おれが三役そろい踏みに出たんですよ。
○輪島 へええ。
○天龍 だから、何かおもしろい因縁があるんですよ。だから、輪島さんが休んで、三役そろい踏みのメンバーがいなくなって、で、あのとき(前頭)七枚目で、9勝5敗だったんですよ。で、結局、上がみんな負けちゃって当たるやつがいなくて。あれは13日目で取組をつくるでしょ。
○輪島 そうそう。貴ノ花に、手が裂けて(?)ね。
○天龍 そうそう。
○輪島 で、14日目が北の富士で、それで千秋楽は休んで、病院に入って、それで理事長から電話がかかってきて、「おまえ、優勝したから天皇杯と、パレードしてくれ」って。
○天龍 何かこう、あれ(包帯?)してね。
○輪島 そうそうそう。
○天龍 で、その輪島さんが休んだおかげで、三役そろい踏みがいなくなって、前頭の七枚目なのに、おれがぼんっと、琴桜さんと当たって。それで三役そろい踏みに出たんですよ。
○輪島 へえ。
○天龍 だからあれもまたね、振り返ると、相撲界じゃあ珍しい、七枚目で三役そろい踏み。
○輪島 ああ、七枚目だったんですか。へええ。
○天龍 それでまあ、たまたま9勝3敗とか4敗で成績がよかったんですね。だから、ぽんっと上に持っていかれて。本来はね、琴桜さんは横綱だから、結びの一番の前だったんですよ。ところがおれが平幕だから、結びの一番の前はあんまりだということで、結びの三番の一番しょっぱなになっちゃんたんですけどね。
○輪島 へええ。
○天龍 まあ、結局、琴桜さんに負けちゃったんだけど。最初で最後の三役そろい踏みを横綱(輪島)のおかげでさせてもらったんですよ。不思議だよねえ。
○輪島 不思議だねえ。ああ、七枚目だったの、あのとき。
○天龍 そう、七枚目で三役そろい踏みに。これも本当に、それまであり得なかったんですよね。
○輪島 へええ。
○天龍 もっと不思議な話をしてあげましょうか。
○輪島 はい。
○天龍 輪島さんが高校に行ってね、相撲をやったでしょ。あのころ、二所ノ関部屋に入るとかっていう話があったでしょ。
○輪島 そうですよ。
○天龍 そうでしょ。それでね、二所ノ関部屋に入るのかという話をしているときに、おれがね、相撲部屋に入るか入らないか……。あ、そうだよね、輪島さんが、高校生だよね。
○輪島 うん。
○天龍 高校生のときに、だからおれのほうが下だから、輪島さんを二所ノ関部屋にスカウトした人と、おれを二所ノ関部屋に入れた人が同じ人なんですよ。
○輪島 ホソノさん?
○天龍 はい。
○輪島 その人が、大鵬親方、今の大鵬さんを家に連れてきた。
○天龍 そう。同じ人なんですよ。
○輪島 ああ、そうなの。
○天龍 かっぷくのいい人ね。
○輪島 よくてね。で、あのカシラ(?)と来て。
○天龍 そうそう。で、その人が、輪島さんが高校を卒業したらもう二所ノ関部屋に入る、で、その前にじゃあっていうことで、おれのところに来て。で、石川県にいる輪島っていうのが高校を卒業したら二所ノ関部屋に入る。これは高校横綱とかを何回も取っている強い人でって、おれのところに来ていろんな話をして。だからそのときに一番最初に、おれは13(歳)ですよ。13のときに輪島博という名前を初めて聞いたんですよ。
○輪島 へええ。13?
○天龍 そう、13で。それでおれが相撲部屋に入って、輪島さんはそのまんま、高校を出て日大に行っちゃったんですよ。それで、この後もおもしろい。日大に行って、日大で話が何かなっているときに、うちの親方とかね、うちの佐賀ノ花さんとか、大麒麟さんとか、ダイ●●さんとか、あのころにいた人たちが、大鵬さんも……、その系統で、輪島がね、大学を卒業したら二所ノ関部屋に入ると思ったけど、多分、これは入らなくて、花籠部屋に行くから、あのやろうが相撲部屋に来たらおまえら絶対に負けるなよってハッパかけられたんですよ。
○輪島 あ、そう。怖いねえ(笑)。
○天龍 それでおれも幕下だからさ、よおし、輪島が来たら負けられないなって。これは今、振り返ると、何かずうっと振り返ってみたときに、そういえば輪島さんはおれが13で相撲に入るときに、輪島さんが二所ノ関部屋に入るって話をしてたなあとかって思って、で、入ったときに絶対に輪島に負けるなよって言ってた人たちが、みんな、しょっぱなで輪島と当たったときにみんないかれて、このやろう、これ(口?)ばっかりだなって思ったのを覚えてるんですよ。
○輪島 あはははは。
○天龍 「おまえら、負けたらこのやろう、ただじゃおかんぞ、わかってんだろうな」って、(輪島が)幕下付け出しだったからさ、幕下たちを集めて、「てめえら負けたらわかってんだろうな」とかって、「あのやろう、歯が折れてもいいから頑張れよ」とか言って、「はい」って言ってたら、何って、てめえらが当たったら、ころころいかれちゃってさ。
○輪島 ふふふふふふ(笑)。
○天龍 何だよ、これって。ばか負けしたのを覚えてますよ。
○輪島 あのとき……(動画終了)

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